『若手弁護士のための賃料増額実務シリーズ 第3回 直近合意時点と現状賃料の重要性』
賃料増額請求において、「直近合意時点」と「現状賃料」は極めて重要な概念です。本稿では、これらが実務上どのような意味を持ち、なぜ重要なのかを解説します。
■直近合意時点の意味
1. 直近合意時点とは
-賃料額について、賃貸人と賃借人が最後に合意した時点
– 増額請求における基準時点
– 経済事情の変動を判断する起点
2. なぜ重要か
– 賃料増額の根拠となる経済事情の変動を、この時点から判断
– 合意時点の賃料水準が基準となる
– 増額の可能性を判断する重要な基準点
■直近合意の具体例
【明示的な合意の例】
– 賃料改定の覚書締結
– 新規契約の締結
– 更新契約での賃料合意
【黙示的な合意と判断される例】
– 賃料減額請求後の支払継続
– 賃料増額合意後の支払継続
■現状賃料の重要性
1. 現状賃料とは
– 現在当事者間で授受されている賃料
– 賃貸借契約に基づく現在の賃料額
– 増額請求の出発点となる賃料
2. 実務上の意義
– 増額の基礎となる金額
– 当事者間の合意内容の確認
– 賃料推移の検証材料
■実務上の重要ポイント
1. 直近合意時点の確認
– 契約書類の精査
– 賃料支払履歴の確認
– 当事者間のやり取りの確認
2. 現状賃料の検証
– 賃料支払実態の確認
– 付帯条件の有無
– 実質賃料の算定
■実務上の留意点
1. 資料収集のポイント
– 賃貸借契約書
– 覚書・合意書
– 賃料改定の経緯書類
– 賃料支払履歴
2. 依頼者からのヒアリング項目
– 賃料改定の交渉経緯
– 口頭での合意の有無
– 賃料支払状況の変遷
■当社の取り組み
当社では、直近合意時点と現状賃料の認定において、以下の点を重視しています:
– 詳細な契約履歴の分析
– 賃料変動要因の把握
– 客観的な資料による裏付け
【お問い合わせ】
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電話:06-6195-6537

大学在学中の2005年に不動産鑑定士試験に合格。2007年3月 神戸大学法学部卒業。同年4月 住友信託銀行(現三井住友信託銀行)へ入行し、退職する2015年まで不動産に関する実務に携わる。2017年3月 不動産鑑定士登録。調停・訴訟に特化した不動産鑑定士として、弁護士との協業実績多数。