その賃料、何年据え置きですか? 物価上昇時代に地主・オーナーが知っておきたいこと
賃料の増減額請求など、不動産の価値評価が争点となる場面では、弁護士の先生方だけでなく、地主・資産家の皆様ご本人から直接お問い合わせをいただくことも少なくありません。ここでは、そうした地主様からよくいただくご相談の中から、賃料増額に関する初歩的な内容をいくつかご紹介します。
物価上昇のニュースが続く中、「テナントの賃料を上げられないだろうか」というご相談を、地主様・資産管理法人のオーナー様から直接いただく機会が増えています。実際にご相談いただく中で、まず確認するのは次の3点です。
1. 契約書の確認
賃料改定条項の有無、直近の改定時期をまず確認します。据え置き期間が長いほど、周辺相場との乖離が大きくなっている可能性があります。先代の頃からの契約をそのまま引き継いでいるケースも少なくありません。
2. 周辺相場との比較
近隣の類似物件でどの程度の賃料水準が形成されているか。感覚だけで進めると、後の交渉やトラブルの火種になりかねません。
3. 増額請求の法的根拠
借地借家法上、賃料増額請求ができる要件に該当するかどうか。ここは特に、弁護士の先生と連携しながら進めるべき部分です。
賃料増額は、感情的な通知から始めてしまうと、テナントとの関係が悪化し、かえって長期化・訴訟化するケースを数多く見てきました。適正な水準を客観的な鑑定評価として示すことが、円満な合意形成への近道になるというのが、実務を通じての実感です。
ご自身の物件が今の据え置き年数でどの程度乖離しているか気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

大学在学中の2005年に不動産鑑定士試験に合格。2007年3月 神戸大学法学部卒業。同年4月 住友信託銀行(現三井住友信託銀行)へ入行し、退職する2015年まで不動産に関する実務に携わる。2017年3月 不動産鑑定士登録。調停・訴訟に特化した不動産鑑定士として、弁護士との協業実績多数。