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小型案件の賃料増額交渉に簡易鑑定を活用した事例|正式鑑定の1/3以下の費用で根拠資料を準備

はじめに

賃料増額請求は、必ずしも調停・訴訟に発展するケースばかりではありません。特に小型案件では、弁護士が交渉段階で解決を図ることも多く、その際に「鑑定書を使いたいが費用が見合わない」というケースがあります。

本件は、そうした状況に対して簡易鑑定評価書を活用し、正式鑑定の1/3以下の費用で交渉の根拠資料を準備した事例です。

弁護士が簡易鑑定を選んだ理由

賃料増額鑑定の正式な評価書を作成する場合、一般的に50〜60万円程度の費用が必要となります。しかし本件は、現状の賃料が月額10数万円の小型案件であり、増額幅も月額数万円程度が見込まれる状況でした。

本件では調停・訴訟ではなく交渉での解決を目指しており、「費用対効果を考えると正式鑑定は重すぎる、ただし根拠のある資料は必要」というニーズがありました。

そこで、弊社の簡易鑑定評価書をご提案。正式鑑定の1/3以下の費用で対応しました。

事案の概要

  • 物件: 大阪市内の自宅兼用事務所
  • 現状賃料: 月額10数万円
  • 問題の核心: 契約当初の賃料設定が低かったことに加え、近年の地価上昇により現行賃料と市場水準の乖離が拡大していた
  • 直近合意時点: 約5年前

鑑定手法と試算結果

差額配分法:約40%のアップ

周辺の賃料相場と現行賃料を比較したところ、契約当初の賃料設定が低かったことに加え、近年の地価上昇も重なり、現行賃料は市場水準を大きく下回っていることが判明しました。この乖離を適切に配分した結果、約40%のアップという試算となりました。

なお、この数値は当初賃料の設定水準と地価上昇が重なった特殊なケースであり、一般的な案件では差額配分法の試算がここまで大きくなることは多くありません。

スライド法:20%超のアップ

直近合意時点(約5年前)からの経済指標の変動を検証したところ、地価は約30%、賃料指数は約20%上昇していました。

これらを反映した結果、スライド法でも20%超のアップという試算となりました。

最終的な鑑定評価額

差額配分法(約40%)とスライド法(20%超)の試算結果を総合的に検討し、現行賃料から約30%を継続賃料の鑑定評価額として算出しました。

金額にすると月額数万円のアップとなります。

本事例のポイント

小型案件こそ費用対効果が重要 月額10数万円の賃料に対して50〜60万円の鑑定費用は、依頼者にとって大きな負担です。簡易鑑定評価書であれば、その1/3以下の費用で専門家による根拠資料を準備できます。

交渉段階での鑑定活用 調停・訴訟に至る前の交渉段階でも、鑑定評価書は有効な根拠資料となります。相手方に対して客観的な数字を示すことで、交渉をスムーズに進める効果が期待できます。

当初賃料の水準と地価上昇が重なると乖離が大きくなる 契約当初の賃料設定が低めだった場合、近年の地価上昇と重なることで、現行賃料と市場水準の乖離が想定以上に拡大していることがあります。本件はその典型例であり、賃料改定の余地が大きいケースでした。

弁護士の先生方へ

以下のような案件では、簡易鑑定評価書の活用をご検討ください。

  • 賃料が月額20〜30万円程度の小型案件
  • 調停・訴訟ではなく、まず交渉での解決を目指したい
  • 費用を抑えつつ、客観的な根拠資料を準備したい

「正式鑑定を依頼するほどの案件かどうか分からない」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。案件の規模や状況に応じて、最適な対応方法をご提案します。

📞 06-6195-6537(平日9:00〜17:00) ✉️ info@ageha-kantei.jp

この記事を書いた人

酒井 龍太郎

アゲハ総合鑑定株式会社 代表取締役

大学在学中の2005年に不動産鑑定士試験に合格。2007年3月 神戸大学法学部卒業。同年4月 住友信託銀行(現三井住友信託銀行)へ入行し、退職する2015年まで不動産に関する実務に携わる。2017年3月 不動産鑑定士登録。調停・訴訟に特化した不動産鑑定士として、弁護士との協業実績多数。

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